古流信濃とは

古流信濃とは

いけばなの起源は、仏教が伝来するより前から神の宿る依代として榊などの常盤木(常緑樹)を用いたり、神霊を慰めるために木や花を用いた民信仰に根ざした習俗でしたが、古代から受け継がれてきたこの習俗が、やがて渡来してきた仏教の供花と密接に関わり、いけばな誕生の大きな要因となりました

供花は、仏教の普及にともなって、仏前以外の場所にも飾られるようになっていきますが、それは宗教的な意味合いを持つ花から、観賞の対象としての花へ、という変化を表しています。

室町時代に入ると、歴代の芸術振興によって、能楽や茶の湯などの文化活動が盛んになります。

その一環として、床や棚、書院を備えた「書院造り」と呼ばれる建築様式が生まれました。この書院つくりの出現がいけばなの勃興をうながしました。この座敷飾りの花から、立花という、花型をもった最も古い、いけばなの様式が生まれました。

江戸時代に入って、立花は最盛期を迎え、立華として洗練の度合いを高めますが、複雑な立華より、庶民生活に合った、抛入花の方が盛んになりました。しかし、抛入花は即興の花で、接客を旨とした床飾りの花としての格式が求められました。そこで立華と抛入花の中間をいく花が生まれました。これが、現在の生花あるいは格花と呼ばれる花で、江戸後期の文化文政時代にその様式が確立されました。単純な中にも格を備え、品高く仕上がるところから、非常な勢いで普及し、さまざまな流儀が生まれました。

日本の伝統文化の代表として、茶道と華道は武家・商家の子女の「たしなみ」(教養)として、明治・大正時代に至るまで、継承されてきたのです。昭和に入り、戦争の混乱期を経て、日本古来のものは完全否定され、教育の一たんに位置づけられていました華道も一部の趣味・娯楽となりました。戦後、自由・平等が叫ばれ、華道界もどちらかと言えば、自由花、盛り花のみの流派が、主流を謳歌してきましたが、ここにきて日本文化の伝統が見直される傾向になってまいりました。形式のみにこだわった古いいけ花ではなく現在の生活様式にあった伝統ある新しいいけばなを継承して行きたいと願っています。

古流信濃のあゆみ

江戸中期に始まり300余年の伝統を誇る閑雅幽玄の情趣ある格調高い古流生花を正しく伝承した古典花「古流信濃・生花」と、古流から展開し、70 年余に及ぶ歴史をもつ自由な創造と個性を尊重して生ける「古流信濃・自由花(盛花、投入、現代花)」の二つから成り立っています。古流信濃の技法の特徴は、古流のいけばなの技法の影響で、「曲生けの美しさ」と「根締りの良さ」という表現に代表されています。様式的には多種多様な花材を用い、極力その自然の出生を損なわずに、しかも季節感を尊重する伝承花の流れを汲んでいます。

初めての方には、基本からわかりやすく教本によって、二つの様式をデジカメとパソコンを使って、丁寧にご指導致します。定められた単位を取得しますと教授活動をすることができます。そのあと教授者になられた方も、趣味としていけばなを学ぶ方も、さらに高度の専門技能を学ぶことができます。高度な技法を誇る当流いけばなの「師範」資格を取得されて、生涯教育分野でご活躍されることを希望致します。

※「師範」は単位制でおよそ(月2回のお稽古)4年間で習得致します

お稽古の方法は生けられた作品を写しまして、より良くなるアドバイスをいたします。それをパソコン画面で確認する方法を用いています。その後ブログにも掲載し、再確認できますので”いけばな”の理解が短期間で習得して頂いております。

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